執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~

雅文side

 




 ホテルの客室にひとり取り残された俺は、ピンクベージュのパンプスを見下ろした。


 華奢なデザインのパンプスを左手の中で遊ばせながら、これを履いていたまどかの足を思い出す。
 すらりと綺麗なふくらはぎと、細い足首。血管が透けて見えそうなほど白くなめらかな足の甲。

 三年前は歩きやすい平らな靴ばかり履いていた彼女が、こんなヒールのあるパンプスを自然と履きこなせるくらい大人の女性になっていた。
 そのことに、悔しさとさみしさを感じる。

 もちろんパンプスだけじゃなく、髪型も服装も、そして彼女自身も。以前よりずっとずっと魅力的で美しくなっていた。


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