執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~

 まどかが何度も浮気を繰り返すような最低な男と付き合っていると知って、我慢が限界を超えた。

 俺ならまどかを泣かせたりしないのに。ほかの女によそ見なんてしないのに。大切にして甘やかしてとことん愛して、絶対に幸せにするのに……。

 気付けば体が勝手に動き、まどかの腕を掴んでいた。
 細い肩がおどろいたようにぴくんと跳ね、まどかがこちらを見上げる。

 長い睫毛にふちどられた大きな目が丸くなった。
 お酒のせいか動揺のせいか、綺麗な瞳がうっすらと涙で潤んでいく。


『まどか。俺がアメリカにいるうちに男の趣味が悪くなったな』

 不機嫌な感情を隠さずに低い声でつぶやくと、まどかが信じられないというように俺の顔を凝視した。

『うそ……。雅文……?』

 かわいい声で名前を呼ばれる。それだけで愛おしさが込み上げてきた。
 あぁやっぱり、今でも悔しいくらいまどかのことが好きだと思い知る。


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