執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
『俺にしろよ』
状況が飲み込めず混乱する彼女に向かって、俺は静かに言う。
『浮気を繰り返す最低な男はやめて、俺にしろよ』
彼女を泣かすような男から奪って、自分だけのものにしたい。
三年前に彼女から別れを切り出され別れたのに。
まどかを前にすると、欲望が簡単に理性を打ち砕いた。
そして、まどかが酔って混乱しているのに付け込んで、ホテルにつれこんだ――。
昨夜のことを思い返しながら、俺はベッドに腰をおろす。そして右手で頭を抱えた。
ベッドの中のまどかはめちゃくちゃかわいかった。外見はすごく大人っぽくなっていたのに、反応は付き合っていた頃のまま初心で、恥ずかしそうに必死に声をこらえて……。それでも快感に負けて次第に乱れていく様子が、いとおしくて仕方なかった。
だけど朝になり酔いがさめた途端、俺の前から逃げ出したまどか。彼女が残したパンプスを見下ろしながら、俺はひとり大きなため息を吐き出した。