執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
不器用な初恋
私は自宅のワンルームのマンションに戻り、ベッドの上に倒れこんだ。
雅文と過ごした高級ホテルにあったものと比べると、大きさはもちろん、マットレスの厚みも、シーツの肌触りも、なにもかも違うシングルサイズの自分のベッドがどこかわびしく物足りなく感じる。
勘違いしちゃだめだ。
私にはこれが現実で、昨日はありえない夢を見ていただけなんだから。
そう自分に言い聞かせてから、「そうだ」とつぶやいてスマホを取り出す。
雅文から逃げ出すために、ホテルのスリッパを履いて出てきてしまった。そのことをホテルにきちんと謝ってスリッパ代を弁償しないと泥棒になってしまう。