執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
「は、キツ……っ」
私の奥にまで体を沈めた雅文が、眉をひそめてそうつぶやく。もらした吐息の色っぽさに、ずくりと胸の奥がうずいた。
「雅文……っ」
たまらず名前を呼ぶと、黒い前髪の間からこちらを見つめる強い視線。
「まどか、好きだよ」
体を繋げたまま愛しむように頭をなでられ、乱れた呼吸の合間にそうささやかれ、涙があふれそうになった。
この優しい手も甘い言葉も、本気じゃない。ベッドの中だけの戯れだ。そうわかっているのに。
三年前、私のことを騙しあんなにも深く傷つけたこの人を、今でも泣きたいくらい愛おしいと思ってしまうなんて、私はなんてバカなんだろう――。