執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
元恋人のご帰還
 





 翌週の月曜。

会社に行くと、フロアの空気がどこかそわそわと浮かれているように感じた。なにかあったのかな。と首を傾げながら自分の足元に目を向ける。

 今日履いているのは、先月買ったまましまっておいたパンプスだ。

 普段仕事用には履きなれた二足のパンプスを交互に履いていたけれど、一足は週末ホテルに置いてきたまま行方不明で、もう一足のパンプスはタイミング悪く修理に出していたから、仕方なく普段は使っていないパンプスを履いてきた。

 形が気に入って買ったのはいいけれど、私の足には合っていなかったようで通勤途中からかかとがすれてわずかな痛みを感じていた。

 ズキズキと足が痛むたびに、あの夜酔った勢いで雅文と過ごさなければ、こんなことにはならなかったのにと心の中で悪態をつく。
 そしてそのたびに雅文との一夜を思い出している自分が悔しくなる。



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