5時からはじまる甘い罠。
それは、里奈ちゃんと、その友達で。
彼女たちがわたしなんか助けに来るはずないのに。
どうして……
「里奈、廉くん呼んできたよ」
突然飛び込んできた別の女の子の声。
「ありがと!助かった」
驚いていると、
「あんたの王子様本人に話つけさせた方が、手っ取り早くね?」
里奈ちゃんが笑った。
「……栞菜」
なんと、女子トイレに踏み込んできた廉くんは、
いつもの余裕はなく、肩で息をしている。
顔は険しい。