5時からはじまる甘い罠。
「栞菜にとっては、そうじゃなかった?」
わたしにとっても。
「ううん……
楽しかったに決まってる。
当たり前です。
だって、わたしは廉くんといるだけで、泣いたり笑ったり、忙しくて」
今まで知らなかった気持ちばかりで。
「廉くんをわたしだけのものにしたい、って、そう思うようになってしまって……」
自分の気持ちすら抑えられなくて。
「同じだよ。
俺と」
…え。
わたしは驚いて顔を上げた。