5時からはじまる甘い罠。
Ex - side REN
Extra Story『HAPPY, HAPPY BIRTHDAY』
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「廉くん……。
あの、明日の土曜日、廉くんのお家に行ってもいいですか?」
俺がいつもの冷静さを保ったのは、表面上の話だった。
放課後。
二人で来たカフェは、最近の俺たちの行きつけで。
相変わらず口下手な彼女と、相変わらず素直じゃない自覚がある俺は、いつものようにたわいもない話をしていたんだけど。
突然彼女が持ち出した提案は、俺の想像のはるか彼方にあった。
よかった、今ふたりきりじゃなくて。
カフェのほどよい喧騒が、荒ぶる俺の内心を沈めてくれる。
……落ち着け。