5時からはじまる甘い罠。
「……廉くん?」
上目遣いで見上げてくる目の前の女の子は、黙ったままの俺の様子に、何にもわからずにきょとん、としている。
なんとか、いつものように微笑んだ。
「……なんで、突然?」
「……えっと……」
モジモジとする彼女は、少し頬を赤らめて、何か言い悩んでいる様子だ。
その困った顔が、あんまり可愛くて。
俺の脳内で何かが弾けそうになる。
…待て。
確かに、目の前のこの子は、付き合って3ヶ月の俺の彼女で。
この子も俺が大好きだってわかっているけど。