5時からはじまる甘い罠。
第2話
ほんとにとんでもない提案を受けてしまったと思う。
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「栞菜ー」
廊下から声をかけられて、廊下側一番後ろの席のわたしが顔を上げると、そこには予想通りの笑顔があった。
(ていうか他にいない)
「おはよ」
人懐っこい目が細められている。
ずるい……内心ときめいた心を無理やり抑えて、わたしはどぎまぎしつつ、視線を合わせずぺこりと頭を下げた。
「栞菜…笑顔はどうした?」
早速ダメ出しをくらってしまう。
焦ってなんとか苦笑いを浮かべたけど、彼はなんだか不満げだった。
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