5時からはじまる甘い罠。
「おまえ、今日の放課後あいてるよね?
ふたりで出かけよ」
屈託のない更科くん……もとい廉くん(昨日何度も練習させられた)は、
まわりの視線なんて全く気にならないようで、誤解を招きそうなことを平気で口にした。
まわりのざわめきはとうぜん、倍に膨らんだのを肌で感じて、わたしはうなだれた。
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おい、わらし、どういうことだよ、調子にのるなわらしのくせに、と柄の悪い口調で女子に1日で何度も絡まれ、
そのたびに、なんでもないんですただの知り合いですごめんなさい…とひたすらビクビクして謝り続けたわたしは、
放課後、廉くんとの待ち合わせ場所の駅に着く頃には疲労困憊していた。
(会話の練習にはなったかもしれない…)
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