5時からはじまる甘い罠。
「またいつでもおいで」って見送られて、ヨウさんの店を出た、次の日。
わたしが教室に入ると、一瞬喧騒が静かになった、と思ったのは、錯覚だと思っていた。
けれど席に着いた直後。
前の席に集まる女子たちの反応で、それは本当だったとわかったのだ。
「「「わ……わらしーーー!?」」」
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「どこの美容院!?
すげえ!!
腕良すぎない!?」
「いやあんた変わりすぎだよ。
誰だかわからなかったし!
なにがあったんだ」
「でも、いいじゃん!
いけてるよ!
あたし、今のあんたは好きだよ、わらし」
矢継ぎ早に質問してくるのは、数日前までわたしを空気扱いしていた女子たちで。
わたしはなんと言っていいのかわからず、相変わらずあわあわしていると、
「いや中身は変わってない、ただのわらしだ!!」
彼女たちは大盛り上がりしていた。
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