5時からはじまる甘い罠。
第4話
コミュニケーション能力は低く、運動神経は壊滅的。
そんなわたしにとっては、もっともつらい1日。
「1-4!
優勝するぞー!!」
「「「おー!!」」」
「……」
わたしはクラスメートたちの圧倒的な熱量に目を丸くしてしまう。
……今日は球技大会だ。
「みんな、体育館に移動して!」
「はーい」
「がんばろうね!」
「バレー、一回戦どこと当たる?」
誰もが楽しそうに語る中、わたしはポツンとひとり、おとなしく席についていた。
こういうクラス一丸!的な行事は、昔から苦手だ。
だけど、ひとり一回かならず出場しなきゃいけない決まりなので、わたしはバレーボールに出ることになっている。
……もう、すでにいまから、かえりたい。