5時からはじまる甘い罠。
「れ、れんくん」
驚いた声を上げると、廉くんは仏頂面で、
「これ、どーしたの?」
まだわたしのサイドポニーの先っぽを指先でつまんで、ぴょんぴょんと引っ張ったままだ。
そのことを尋ねられると、わたしは思わず頬をゆるゆるに緩めてしまう。
「あの。
……同じクラスの子が、やってくれたの。
クラスの女子で、お揃いの髪型……」
たぶん、口調から嬉しさが滲んでいたと思う。
そんなの生まれて初めてで、わたしもクラスの一員って認めてもらえたみたいで。