5時からはじまる甘い罠。
思わず満開の笑顔になると、廉くんは指先を伸ばして、
「ふーん」
わたしの頬をつねった。
「い、…いひゃい…」
理不尽なあつかいに、おもわず情けない声を上げる。
「なんだよ、そんな素直に嬉しそうにしちゃってさ…」
廉くんは、けして手の力は緩めない。痛い。
「れ、れんくん、いひゃ……」
「俺といる時は、そんな顔しないくせに」
「……え?」
なんだか廉くんの様子が変な気がして、わたしは首をかしげる。
「……廉くん?」