5時からはじまる甘い罠。


廉くんは私の表情を無表情で見つめていたけど、ふっと笑った。


やっと、頬を離してくれる。


けっこう痛かった……。


何度もほっぺたをさすった。



「すっきりした、面白い顔で」



相変わらず意地悪な廉くん。


涙目で睨み付けても、全然、平気そうだ。


にこり、といつものように微笑む。



「俺、バスケの試合出るんだよね。
……もし優勝したら、ご褒美くれる?」



「廉くん、バスケできるの?」



「ちょっとだけね」



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