5時からはじまる甘い罠。



初めて知った。


廉くんが、バスケ。


それは……きっとカッコいい。


女子が喜ぶやつだ。



「もちろん、わたし、なんでもします」



わたしは気合を込めて、拳を握りしめた。


普段、めちゃくちゃ、めちゃくちゃ、お世話になってるし。


恩を返せる機会は、めったにない。



「どんなことでも、言ってください!」



わたしが意気込むと、自分から言いだした廉くんは眉をひそめた。



「あのね…。あんた、その意味わかってる?
もし俺が変なこと頼んできたら、どうするの」



そんな答えに、わたしの方が困ってしまう。



「変なこと、って……」



そんなこと、考えもしなかった。


わたしがきょとんとしていると、



「ばか」



と一言。
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