5時からはじまる甘い罠。



バスケについてたずねたとき、


「ちょっとだけ」なんて言っていた廉くんだけど、


相変わらず廉くんは嘘つきだった。






「キャーーー!」



「れんくーーーーん」



ドリブル、シュート。流れるように何度も決める。


まるで吸い込まれるみたいに、ボールがネットを揺らす。



「かっこいいいーーーーー」



わたしがそれはもう驚くほど……女子の大発狂は凄まじかった。



「廉くん、やばい、うまい」



「しかもイケメンすぎ」



「わかる!

ゴール決めた時の笑顔半端ない」



誰も彼もが廉くんの話題で持ちきりだ。


廉くん、すごいなぁ…ほんとにアイドルだ。


素直に感心していると、



「橘さん、ちょっといい?」



違うクラスの保健委員の子に声をかけられる。




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