5時からはじまる甘い罠。
それは、大会も終盤に近づいた午後。
「…え、栞菜?」
ふらふらと保健室にはいってきたのは、まさかの廉くん。
わたしは驚いてしまった。だって、
「ど、どうしたんですか?」
廉くんのふくらはぎは、青く腫れあがっていた。
わたしは慌てて、廉くんを椅子に座らせる。
「試合で、ちょっとね」
「そんな……」
痛そうで、みているこっちが辛くて、泣きそうになってしまう。
廉くんはかなり痛そうな顔をしていたものの、わたしのようすに気づくと笑ってみせた。