5時からはじまる甘い罠。
・
・
「やー、ほんと、うまくいったよな。
更科のこと」
そんな男子の声が聞こえたのは、たまたま通りかかった廊下の隅の空き教室からだった。
「お前演技派だな。
まったくわざとに見えなかった」
「ま、もしかしたら、うまくいけば怪我してくれるかなー、って感じだったしね」
あまりにも酷い言葉が聞こえてきて、わたしは足を止める。
…な、何いってるんだ、この人たちは。
「あいつ、かっこいいからって調子乗ってるし。
ザマアミロ、って思った」
「けっこうみんな思ってるだろ。
おまけに、バスケもできるとかマジで腹立つ」
「いつも人を見下してる感じがするんだよね。
性格悪いよ。
バカにしてるっていうか」
「だよな。
女つくらないのも、裏で遊んでるからだって噂だし」
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「やー、ほんと、うまくいったよな。
更科のこと」
そんな男子の声が聞こえたのは、たまたま通りかかった廊下の隅の空き教室からだった。
「お前演技派だな。
まったくわざとに見えなかった」
「ま、もしかしたら、うまくいけば怪我してくれるかなー、って感じだったしね」
あまりにも酷い言葉が聞こえてきて、わたしは足を止める。
…な、何いってるんだ、この人たちは。
「あいつ、かっこいいからって調子乗ってるし。
ザマアミロ、って思った」
「けっこうみんな思ってるだろ。
おまけに、バスケもできるとかマジで腹立つ」
「いつも人を見下してる感じがするんだよね。
性格悪いよ。
バカにしてるっていうか」
「だよな。
女つくらないのも、裏で遊んでるからだって噂だし」