5時からはじまる甘い罠。
バスケのご褒美に廉さまがご所望になったのは、手作りのお弁当、だった。
わたしなんかのそんなものでいいの?とあわてるわたしに、
廉くんは、誰もが頷く魔性の笑顔で、それがいい、とおねだりした。
そういうわけで、きょうは森林公園で、レジャーシートを敷いて、ピクニック。
柔らかな風にフワリと揺れるコスモスが、あたり一面を彩る。
秋の香り。
遠くでひびく、家族連れがはしゃぐ声。
穏やかな空気。
「うまい」
そして、お弁当を感慨深げに食べてくれる廉くん。
それが、なによりも嬉しい。
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