5時からはじまる甘い罠。




「れ、…れんくん」



ギコギコと音がしそうなぎこちなさで、やっと下を向くと、廉くんはいつのまにかすやすやと眠っていた。


えぇ……。


わたしは脱力すると同時に、なんだかほっとして、廉くんの寝顔を眺めた。


まつ毛長いな。


鼻筋、綺麗。


やっぱり、整った顔。


でも寝顔は、可愛いんだ……。


今日、初めて知ったことに、


思わず、ふふ、と笑う。




このまま、ずっと……


そんなのわたしのセリフです、廉くん。


……その願いが叶わないからこそ……








< 97 / 171 >

この作品をシェア

pagetop