5時からはじまる甘い罠。




身分不相応なことをおもったから、バチが当たったのかな。



「あんたが更科につきまとってる女?」



ある日の朝だった。


教室に入ろうとしたところで、数人の女の人に呼び止められたのは。


全然穏やかな呼び止め方ではなかったので、わたしは恐る恐る視線を上げる。


リボンの色から2年生の先輩だとわかった。


みんなスタイルが良くて、整った顔をしている。


凛とした姿勢。


自信がみなぎってる、といえばいいのか。


なんだろう…


何かが頭に引っかかった。


……あ、そうだ。


この人たちを見ていると、思い出すのだ。


……昔憧れていた、近所の女子高生のお姉さん。







< 98 / 171 >

この作品をシェア

pagetop