強く生きろ〜紅き誓い〜
作戦会議が終わり、自分の部屋に戻ったシュアンのもとに千尋は急ぐ。扉を開けると、シュアンは赤いリボンで長い黒髪を結んでいるところだった。

「シュアンさん、奇襲に行くんですか？」

「ああ、私の代わりにお前が行くのか？」

「いえ、でも……」

うつむく千尋に、シュアンはナイフや銃などの武器を手にして言う。

「私は誰よりも強い。この腐りきった戦争を終わらせる！」

シュアンたちは奇襲へと向かい、千尋は心配しながらシュアンの帰りを待っていた。次の日の朝、シュアンたちは笑顔で帰ってきてくれた。

「奇襲は無事に成功した！！」

そう兵士の一人が告げると、残って報告を待っていた人たちも喜ぶ。千尋もホッとし、一筋の涙を目からこぼす。

「戦場ではいかなる理由があろうと泣くな」

敵の返り血で汚れた軍服を着たシュアンが、千尋を睨みつけた。



千尋が陸軍に保護されて二週間が経った。二週間も経つと、すっかり千尋は陸軍での生活に慣れた。

軍人の食事は早い。食べている時と眠っている時は人は無防備になると、千尋が驚くほどのスピードで食事をとる。味わって食べることはほとんどない。
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