強く生きろ〜紅き誓い〜
戦闘がない時でも、シュアンたちは訓練を欠かさない。千尋も「自分の身くらい守れるようになれ」と一緒に訓練をすることになった。

千尋が訓練所の校庭を五周走っただけでゼエハアと荒い息を吐くのに対し、シュアンは盾などを持った完全装備の状態で何十周も平気で走ったりする。

シュアンは射撃の腕もよく、体術も男性顔負けの実力の持ち主だ。

実戦に向けた練習では、シュアンは拳を素早く相手に叩き込み、十五分もしないうちに相手を倒している。千尋はシュアンの強さに言葉を失った。

軍人は、交代で見張りをする。千尋はしたことはないが、シュアンは交代の時間になると起きて行っているようだ。

「シュアンさん、訓練お疲れ様です」

千尋は微笑み、訓練が終わったシュアンに飲み物を渡す。

「ありがと」

シュアンは渡された飲み物を一気に飲み干した。身体中、土などで汚れていた。

「私もシュアンさんみたいに強くなれたら……」

そう呟く千尋の頰を、シュアンはギュッとつねった。
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