俺様社長のプロポーズ?!
「…やっと起きたな」
「…社長」

私の頭を撫でていた社長の顔は、とても優しい表情だったのに、突然不機嫌な顔になった。

「…すみません、ぁの…眠ってしまって」

寝てしまったことを怒っているのかと、しどろもどろになりながら、謝罪する。

「…なぜ、謝る?」
「…怒っているのかと」

少し考えた社長は、大きなため息をついた。

「寝ていたことを怒ってるんじゃない」
「…」

ではなぜ、怒っているのか?

「名前」
「名前?」

「ここは、会社じゃない。名前で呼べ」

…名前。

それは勿論知ってるのだが、当然躊躇う。

「時間がない。ほら、早く」
「…潤…さん」

それが私の今の精一杯。

また、社長はため息をついた。

「まぁいい…行くぞ」
「え、あの、何処へ」

「行けばわかる」

…連れて行かれたのは。
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