妖狐の瞳に恋をした
程なくして、車は目的の百貨店に着いた。

お店の中で、これからの生活に必要な物を揃えていく。

お揃いの茶碗に箸、マグカップ・・・二人一緒のものが増える度に

幸せも増すような気がした。

「瑠璃、これも買わないか?」

少し恥ずかしそうに翡翠が指さしたのは、お揃いのパジャマだった。

私も翡翠につられ、恥ずかしくなってしまう。

「そ、そうだね、これなんかどうかな?」

ちょっと、挙動不審になりつつシンプルなパジャマを選んだ。

翡翠は深いグリーンで私は鮮やかなブルー、どちらもお互いの名前に

ちなんだ色にした。

結局、お互い両手いっぱいの買い物をしてマンションに帰ることに。


部屋に戻ると買ったものをしまう。

こうして、ひとつずつ二人のものが増えていくんだろう。

これからの新しい生活に期待が膨らんでいくのを感じた。
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