妖狐の瞳に恋をした
「仕事を休むの?」

「今日は瑠璃も学校もバイトも休め。いいな。」

「う、うん。」

翡翠の有無を言わせぬ態度に、頷く。

確かに、この姿では学校にも行けない。

二人で身支度を整えて浅葱さんと蘇芳さんが来るのを待った。

二時間程して玄関のチャイムが鳴った。

翡翠が二人を迎えに行き、ソファーに座る私の姿を見ると二人とも

目を見開いた。

「これは・・・、完全に妖狐化したということか・・・

 他に変化はないのか?体調は?」

「実は・・皆の頭の上に耳が・・見えます」

「瑠璃、そうなのか?」

「さっき、気がついた・・」

「では、我々と同じ、妖と人間を判別できるということか」

「え、皆も見えるの?」

「力の強い妖には、判別する能力がある。ということは、瑠璃様には

 高い妖力があるということだ。今後、他の能力も目覚めていくかも

 しれないな」
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