妖狐の瞳に恋をした
真っ暗な世界にいた。

ここはどこだろう?

周りを見渡すと見覚えのある赤い鳥居が見えた。

これって・・・あの鳥居と同じ・・・。

「妖狐の姫、私が見えるか?」

声に驚いていると、鳥居の所に真っ白な狐がいた。

「あなたは?」

「フッ、私はただの狐。妖狐の姫、そなたは大きすぎる力を使い

 今、眠りに落ちている。そなたに問う。このまま、翡翠と共に

 歩むことに迷いはないか?」

私は笑みと共に狐の目を真直ぐ捉え、応えた。

「迷いはありません。私は、一生翡翠と共に生きていきます。」

「分かった。では、この鳥居をくぐりなさい。」

狐は私の答えが分かっていたように、微笑むとフッと消えた。

さっきのは、何だったのだろう。

気にはなったが、狐の言うとおり鳥居をくぐった。
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