妖狐の瞳に恋をした
家に早く帰りたいと思ったのは、どれ位ぶりなのだろう?

祖母が亡くなってからは、暗い家が嫌でそんな風に思うことも

なかったな・・・。

狐であっても、家に誰かがいるのは嬉しいものなのだと実感した


ガチャ

暗い玄関に明かりをつけると、リビングから翡翠がスッと

現れた。

「ただいま、翡翠!待っててくれたの?お腹すいてない?」

「キャン、キャン!」

「今、用意するから、ちょっと待ってね!」

「キャン」

翡翠はエメラルドグリーンの瞳をクリクリさせて擦り寄ってくる

「ほんと元気にしてて良かったぁ。

 ちょっと心配してたんだよ。ケガが悪化してたらどうしようとか

 お腹すいてないかなとか・・・。

 でも、ホントに良かったぁ~」

思わず私も、翡翠に抱き着いてしまう。

あ~、フワフワして気持ちいいなぁ~。
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