妖狐の瞳に恋をした
家に帰ると狐の置物の翡翠に今日の事を愚痴る。

当たり前だが、翡翠は何も言わず全て聞いてくれた。

全て言い終わったことで私も少し落ち着きを取り戻していた。

「明日で実習は終わりだから、若葉さんに負けずに頑張るね」

翡翠に向けて言うと、応援してるよと言ってくれたような

気がした。

最終日は本当に散々だった・・

若葉さんは相変わらず私のした事を自分がやったと言い

職員さんの受けも良好で、私は相変わらずで

終いには担当についたお爺さんを怒らせてしまい、それを私の

所為にしてしまった。

私は訳も分からず頭を下げ謝っていた。

「・・・今後こんな事はないように気を付けてね。

 どんな方でも一人の人格をもった人間です。きちんと対応して

 くださいね」

「はい、申し訳ありませんでした・・」

やってもいない事で責められ謝らなければならないことに悔しくて

涙が出てきたが、職員さんは私が怒られたことで泣いたと思ったようで

「泣けば許されると思わないように」

と更に注意を受けた。
< 35 / 144 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop