妖狐の瞳に恋をした
「驚くかもしれないが・・・瑠璃の助けた白い狐だが・・・

 それは、俺だ。俺は狐というか妖狐、妖だ。人にも狐の姿にもなれる。」

驚くことに目の前の人は自分は妖狐で、あの翡翠だと言った

「俺を助けたお前は、車に撥ねられた。お前を撥ねた車が去った後

 死にそうになっていたお前を助けるのに、ここに連れてきた。

 ここは、人間界ではない・・・ここは・・妖の世だ」

翡翠は私の命を助けるために妖の世界に連れてきたという

普通なら到底信じられない話だった

「あなたがあの翡翠だと証明することはできますか?」

「簡単だ」

翡翠はそういうと人間の姿から狐の姿に一瞬で変化して見せた。

目の前で翡翠と名乗る男が狐に変わったのを目にし、呆気にとられるが

それも一瞬で直ぐに翡翠に会えた喜びの気持ちの方が勝った

「翡翠はケガはなかったの?大丈夫だった?」

「あぁ」

「この姿でも喋れるの!?」

「あぁ」

「あなたが・・・翡翠が無事で良かった・・・」

私はそういうと安堵から翡翠に向けて微笑んだのだった
< 41 / 144 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop