妖狐の瞳に恋をした
「瑠璃、そろそろ寝ようか?」

「そうだね、翡翠は何処で寝てるの?」

この部屋には、私が寝ていた布団しか見当たらない。

ここが私の部屋だろうから、翡翠は違う所で寝ているのだろう。

そう思っていたのだが、思ってもみない返事が返ってきた。

「何言ってんだ、ここは俺の部屋でこの三日間、俺と瑠璃はずっと

 一緒に寝ていたぞ。だから、もちろん今日も一緒だ。」

「エッ!!嘘でしょ!」

「嘘じゃない。人間界でも一緒に寝てただろうが・・・」

「そ、そ、そうだけど・・・」

「まだ何もしないが、もう、瑠璃の側じゃないと寝れない。

 ほら、一緒に寝るぞ。」

翡翠はそう言って、強引に布団の中に引っ張りこんだ。

何か聞き捨てならないようなことを言っていた気もしたが、引っ張り

込まれた翡翠の腕の中では、胸のドキドキが伝わらないかと思うくらい

激しいく恥ずかしいのに、離れたくないと思う自分もいて・・・

結局、言われるまま翡翠の腕にくるまれて眠ることにした。

翡翠からは微かにお香のような良い匂いがする。

不思議とこの腕の中は自分の居場所だという気がして、すんなりと

眠りに落ちていった・・・。
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