妖狐の瞳に恋をした
「瑠璃さん、私も主人も二人の事は反対してないのよ。」

「え、そうなんですか?」

翡翠のお母さんは、ニコニコしながら話し始めた。

「翡翠は、何事にも関心がなくて、私達は翡翠には対の相手は現れない

 のかもと思っていたぐらいなの。

 でも、あなたに出会った。初めは人間と知ってビックリはしたけど

 例え人間だとしても、翡翠が本当に好きになった人なら関係ないの。

 ましてや、あなたの耳には既に翡翠の耳飾りがついている。

 私達は反対できないわ。」

「この耳飾りですか?」

「そう、それは私たちの一族が将来を誓ったものにだけつけることが

 できる、対の証なの。一度つけたら、翡翠にしか外すことはできないわ

 私のは、これよ。」

そう言って、お母さんは右耳についた真珠の耳飾りを見せてくれた。

同じものが、お父さんの左耳にもついていた。

「そんなに大事なものだったんですね。」

「瑠璃、俺の気持ちが分かったか?」

「うん」
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