意地悪な幼馴染は逃げた初恋を追いかける。
2年ぶりくらいに目を合わせた彼は、相変わらず、人目を引くほどのイケメンだった。
艶のある黒髪に、整った容貌。
鼻筋は通って、瞳は吸い込まれそうなアーモンドアイ。
昔より痩せて男らしくなって、身長も伸びて、ますます美貌に磨きがかかったと言える。
「お前と会うの、久しぶりだね。
……なんか太った?」
一方、あくび交じりにそんなことを言われて、わたしは顔を赤くした。
相変わらず無神経さを隠そうともしない。
涼しげな笑顔がめちゃくちゃ腹だたしい。
私は彼と立ち話をする気もなく、すたすたと歩き出す。
「……いや、太ってないから、ほっといて」
彼に背中を向けたまま冷たく言い返すと、彼はニヤリと笑って、
「あー、そういうこと。
ほのかちゃん、胸がでかくなったわけね」
背後から抱きついてきたそいつに、下から思いっきり胸を揉まれる。
その日、朝からマンション中に、私の悲鳴が響き渡った。