意地悪な幼馴染は逃げた初恋を追いかける。
「…あ、おはよう…」
朝からなんとも爽やかな青山くんが笑顔で教室に入ってくる。
彼は優奈にも軽く会釈をすると、
「今日の会議、30分遅れでスタートって委員長から伝言」
「あ、そうなんだ」
それから、仕事はうまく言っているか、わからないことはないかを丁寧に聞いてくれた彼は、とりあえず大丈夫とわかると、
「よかった。とりあえず今日の昼の説明会だね。
まあ、そんなに気負わずに、楽しんでいこう」
私よりも多くミスターコンの仕事を請け負っているはずの青山くんは余裕たっぷりに微笑むと、私の手のひらに飴を一つ置いた。
「差し入れ」
ありがとう…、と言うと、青山くんは頑張ろうね、と優しく答えて教室を出て行った。
「爽やかー」
あっけにとられていた優奈がぼんやりと呟く。