意地悪な幼馴染は逃げた初恋を追いかける。
「ね」
私が同意すると、優奈はジロリと私を見た。
「背も高いし、なんかかっこいい人だね」
「あー、うん。バレー部だったはず。
身長、伸びたよねえ」
「中学からの知り合いだっけ」
「うん」
優奈がなんとなく目をキラキラさせてこっちを見たので、私はたじろぐ。
「何」
「なんか二人いい感じじゃん。
ずっと二人きりなの? 仕事中」
私は眉をひそめた。
「そうだけど。ちょっと、やめてよ。
そんなんじゃないし、私たち」
ふーんと納得行かなそうな優奈に、私は頑なに首を振った。
2年前のことは、うん、昔のことだし。
今は色々、…色々な細かいことは気にせずに、自分の仕事だけをやらなければ。
…実際、それで精一杯なんだから…。