意地悪な幼馴染は逃げた初恋を追いかける。
「あ。
……園川。
久しぶりだね」
青山くんのそんな声に、颯は視線を私の後ろに走らせた。
「……ああ」
「覚えてる?
中3の時一度だけ同じクラスだった」
無表情だった颯は、そう言われて、にこりと微笑んだ。
「あー。《もちろん》、お前は覚えてるよ。久しぶり」
私は眉をひそめた。なんだか、ものすごく、胡散臭い笑顔だったからだ。
まあ、幼馴染でもない青山くんは、気づいてないと思うけど……。
「俺と茅野さん、ミスターコン委員になったんだ。
元々委員だった子が、骨折しちゃって、代理に彼女が」
よろしくね、と優しく微笑む青山くんに、今度は颯が眉をひそめた。
「ほのかが委員?」
その、いかにも無理だろう、みたいな言い方に、私は緊張も忘れてムッとした。
「お前、人前に出るの苦手じゃん。
何してんの」