意地悪な幼馴染は逃げた初恋を追いかける。
そう、確かに。
颯の言う通り、普段は別に人見知りでもないのに、昔から人前に立つとすごく緊張した。
小学校の学級会でも、中学校の自己紹介でも、当てられるのは本当に嫌で。
そんな時はいつも、助けられたものだった……そう、この幼馴染に。
……だけど。
私はあの頃とは違う。
颯のお荷物になってたばっかりの、何にもわかってない、……馬鹿だった私とは違う。
そんな目で颯を見上げた時、私の後ろから青山くんがいった。
「大丈夫だよ、園川。
俺がちゃんと茅野さんを支えるし。
いつもそばにいるからさ」
青山くんは私の頭をポンっと優しく撫でた。