意地悪な幼馴染は逃げた初恋を追いかける。

そう、確かに。

颯の言う通り、普段は別に人見知りでもないのに、昔から人前に立つとすごく緊張した。

小学校の学級会でも、中学校の自己紹介でも、当てられるのは本当に嫌で。

そんな時はいつも、助けられたものだった……そう、この幼馴染に。


……だけど。


私はあの頃とは違う。

颯のお荷物になってたばっかりの、何にもわかってない、……馬鹿だった私とは違う。


そんな目で颯を見上げた時、私の後ろから青山くんがいった。


「大丈夫だよ、園川。

俺がちゃんと茅野さんを支えるし。

いつもそばにいるからさ」


青山くんは私の頭をポンっと優しく撫でた。
< 40 / 57 >

この作品をシェア

pagetop