意地悪な幼馴染は逃げた初恋を追いかける。


「茅野さん、まずい。

もう時間なんだけど、エントリーナンバー2番の人と連絡がつかないっぽい」


ぼうっとしていた私に、スマホから目をあげた青山くんから声をかけられた。


「えっ」


それは、困る。

説明しなきゃいけないことはたくさんあって、時間は惜しいくらいなのに。

初回から遅刻なんて、この先が不安になった。


「エントリーナンバー2番、佐々木遥希さん、1年か。
彼のクラスの実行委員には、今日のこと、伝言お願いしてくれたんだよね」


「うん、お願いしたよ」


それは間違いない。

ちゃんと連絡したとの旨も、委員の子から報告が来ていたし。


青山くんは、それなら大丈夫、と微笑んだ。

< 45 / 57 >

この作品をシェア

pagetop