意地悪な幼馴染は逃げた初恋を追いかける。

だけど、しばらく待って、10分経って、それでも彼は現れない。


「ちょっとー。どうなってるの?

もう時間過ぎてるよね」


他のファイナリストからも当然、不満の声が上がり始める。


「……っ」


「すみません。」


即座に謝ったのは青山くんで、


「俺、教室とか、佐々木くんが行きそうなところ見てくるよ」


そういうと、不安そうな私に、大丈夫、と笑いかけ、教室を出て行く。


私は何もいえず立ち尽くした。


情けない。しっかりしなきゃ。私も委員なんだし、青山くんのお荷物になるわけにはいかないんだから。

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