意地悪な幼馴染は逃げた初恋を追いかける。
内心涙目な私は、それでも意を決して口を開く。
「すみません、12時に集合とお願いしたと思うんですけど。
これからは、時間をしっかり守っていただけると、助かります」
なるべく優しく、丁寧に、本番も時間厳守でお願いしているので……と付け加えた。
すると佐々木遥希は、眉を上げた。
「いや、俺、今日集合とか聞いてねえし。
そっちのミスだろ、なんで俺が文句言われなきゃいけないわけ?」
私は思いもよらない返答に、固まってしまう。
「委員ごときがファイナリストに偉そうにしてんじゃねえよ」
激しい語気と、鋭い眼光で詰め寄られ、私は思わず後ずさりした。
負けちゃダメだ、何か言わなきゃ、
なのに、口が動かない。
不安と驚きの入り混じった、他の生徒たちの視線を感じる。
どうしよう、うまくこの場を収めなきゃ、はやく。
私は委員なんだから……