ニーハオ!パンヤオ!
「わあ……!!」

天音の下には、燃え盛る炎などが見えた。逃げ惑う妖怪たちの姿もある。そして、四神たちが四凶と必死で戦っていた。どちらも強い。

「ファリンさん!!」

道端に倒れているファリンを天音は見つける。麒麟はファリンの倒れている場所へ降り立った。天音は素早く麒麟の背中から降り、ファリンの傷の状態を見る。それほど大きな怪我はしていないようだ。どうやら頭を打って脳しんとうを起こしたらしい。

天音が声をかけ続けると、ファリンはゆっくりと目を開ける。

「天音……どうしてここに?」

ぼんやりとした表情でファリンは訊ねる。天音は「麒麟様に乗せていただきました」と微笑んだ。

麒麟は大きな声で鳴き声を上げ、空へと飛んで行く。何をするのかは天音には予想がついていた。四凶たちを倒しに行くのだろう。

それは正解だった。麒麟が参戦した後、四凶たちは少しずつ押されていき、ついに敗北した。

麒麟が空へと舞い上がり、勝利を伝える。それを、天音とファリンは「よかった」と笑いながら見ていた。
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