ニーハオ!パンヤオ!
翌日、天音たちは桃源郷から帰ることになった。日本にももう帰国しなければならない。
「ええ〜、そんなことがあったのかよ〜」
「俺たちも見たかったぜ〜」
朝食の時に昨晩の出来事を天音が話すと、お粥を食べながら柊と光樹が言った。
「寝ていたお主らが悪いのであろう」
揚げパンを口にしながら麒麟が言うと、部屋は笑いに包まれる。
四神と麒麟にお礼を言い、天音たちは人の世界へとつながっているという扉の前へと立つ。
「また会おうぜ!!」
「元気でな!!」
柊と光樹はファリンに笑い、扉の中へと飛び込んで行く。天音はその扉をじっと見つめた。この扉の中に入れば、もうファリンには会えない。
「そんな暗い顔、すんなある!」
ファリンが天音を抱きしめ、言った。
「私たちは、もうパンヤオ(友達)ある。また絶対会えるあるから、永遠のお別れじゃねえある」
「……はい、そうですね。ありがとうございます!」
天音は微笑み、ファリンを見つめる。そして、扉を開けて中へと飛び込んだ。