ニーハオ!パンヤオ!
扉の中は、自分の手も見えないほどの暗闇だった。ファリンのところへ戻ろうと思っても、天音の後ろにもう扉はない。前に進むしかないのだ。

暗い道を永遠のように歩く。すると、微かな光が見えてきた。

「ツァイツェン(また会いましょう)」

天音はそう言い、光の中へと飛び込んだ。

目を開けると、そこは空港の近くだった。もうすぐ日本行きの便が出る。

「天音!急がないとやべえぞ!」

二人の兄は初めて慌てた表情を見せていた。三人で並んで空港へと走る。

「ツァイツェン(また会おう)ある!」

天音の耳にファリンの声が聞こえてくる。辺りを見回すが、ファリンはいない。

しかし天音は微笑み、頷いた。
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