これからもずっと君のとなりに。

「おはよう、みんな。いつもわざわざありがとね。ママ、パパ、お兄ちゃん、学校行ってきまーす。」


私がそう言えば、みんなびっくりしたような顔になった。


「紗希さんと優さんって今仕事でロサンゼルスに行ってるんじゃなかった…?もしかして、帰ってきたの?」


私が茉依の言葉に返す暇もなく、リビングからママとパパとお兄ちゃんがやって来た。


「あら、茉依ちゃんと愛乃ちゃんと凜ちゃん?久しぶりね!私達今日の朝早くに日本に帰って来たのよ。しばらく日本にいるからよろしくね。」


その言葉に三人の目が見開かれ、真剣な顔つきになった。


「…いえ、こちらこそ。」


…今間があったような気がするのは、私の気のせい?


よく分からないんだけど、すごく意味深なやり取りに見える。


「梨那、早く学校行こ?遅れちゃう。」


わ…忘れてた…!


まなの言葉にのんびりしてる場合ではないことに気づく。


「行ってきます…!」


と一言行って、学校への道のりを急ぐ。


だから気づかなかった。


私の後ろ姿を見て、“あと3ヵ月…”と呟くママの声も、パパとお兄ちゃんの視線にも、ママと茉依の会話に大きな意味が隠されていたことにも…





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