これからもずっと君のとなりに。
私は真っ赤になった顔を隠すように俯いた。
でも、優斗くんがあんな風に言ってくれたことは、素直に嬉しかった。
私は顔を上げてボールを持つ優斗をじっと見つめる。
すると、不意に優斗くんがこっちを見て口パクしてきた。
『ちゃ・ん・と・み・て・ろ・よ。』
もちろんちゃんと見てるよ、という意味を込めて私は大きく頷いた。
「はい、試合再開ね。よーい、始め!」
凜ちゃんの声で再び試合が始まる。
優斗くん、さっきまでかなり疲れていたのに、最初よりもさらに本気なのが伝わってくる。
ドンッドンッ…………
体育館にボールを突く音と、二人の足音だけが響く。
二人のいつにも増して真剣な勝負に、ギャラリーも一言も喋らず、試合に見入っていた。