これからもずっと君のとなりに。
「はいはい、ちょっとうるさい。今の勝負は10対8で望月の勝利。」
凜ちゃんの淡々した声が体育館全体に響き渡る。
「何あのシュート!!」
「二人ともかっこよすぎじゃない!?」
凜ちゃんが言い終わると同時に、またもや騒ぎ出すギャラリーたち。
そんな中、試合の終わった優斗くんは、そのまま真っすぐに私のところへ来てくれた。
「梨那、ちゃんと勝ったぞ。最後のシュートちゃんと見てたか?」
「うん、もちろん!すごい綺麗だったよ!」
私はそう言ってはい、と持ってきたタオルを優斗くんに渡す。
「ん。めちゃくちゃ暑い…」
優斗くんは全力を出し切ったのかかなり汗だく。
もう6月も終わる頃だからね。
「あ、そうだ。優斗くん、涼しくなれるところ行こう!」
私はそれだけ言うと、お弁当を持ってない方の手で優斗くんの手を引っ張って、屋上へ向かう。