これからもずっと君のとなりに。
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しばらく梨那の手を握りながら寝顔を見つめていると、保健室の扉が開く音がした。
「ごめん、望月君。梨那の様子、どんな感じ?」
そう言いながらやって来たのは、少し息を切らした甲斐だった。
「まだ目は覚めてない。少し苦しそうな表情だけど、呼吸は規則的だな。」
「そう…」
安心したような、それでいて少し悲しそうな表情を浮かべる甲斐。
その場に少しの沈黙が流れた。
やがて、甲斐がおもむろに口を開く。
「…ねぇ、望月君。あなたは、深くて暗い闇の中に、踏み込む覚悟はある………?一度足を踏み込んでしまえば、後戻りは出来ないよ………ーーー?」